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【離婚訴訟の法律相談】離婚訴訟における立証責任とは何ですか?立証できないとなぜ不利になるのですか?

【離婚訴訟の法律相談】離婚訴訟における立証責任とは何ですか?立証できないとなぜ不利になるのですか?

立証責任ということばをご存知でしょうか?
訴訟において重要な事実の真偽や存否が不明の場合、自己に有利な法律効果の発生が認められなくなる不利益のことを、立証責任(証明責任)といいます。

この定義が難しいでしょうけれど、つまり、自分に有利な事実がないと考えられてしまうのでそれで不利になるとうことです。そういう不利益を我慢しないといけないということなのです。

お金を貸したけど、証書もなくて現金で渡しただけという場合、借りたほうが借りていないというと、貸したというほうは貸したことの立証ができません。それで貸したという事実がないものとされて、自分が不利益を受けるのです。

立証責任は、実は離婚訴訟では、理論的には通常の民事訴訟と同様に認められるものではありません。というのは、離婚訴訟を含む人事訴訟という訴訟では「職権探知主義」がとられていて、裁判所が自ら主体的に事実があるかないかを調べる権限があるからです。これは民事訴訟にはありません。裁判所は単に受け身で当事者の立証活動をみているだけです。人事訴訟のひとつの離婚訴訟ではルールがちょっと違います。

けれども、通常よく問題になる「財産分与における財産の存在」とか「不貞の事実」など慰謝料請求の基礎となる事実については、当時者が立証しないとあるものと認めてもらえないので、立証責任は通常は機能していると一般の方は考えておいてよいと思います。(親権争いになると調査官が調査をしますので、立証活動だけではなく調査官の調査が重要になりますがそれは別のQ&Aで取り扱います。)

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